僕は知的障害の方の入所施設で長年働いてきました。
そこに住まわれている方々、様々な人生を経てここに辿り着かれて、その人達に日々何を支援出来るかを考え、業務に励んできました。
そんな僕が感じた、今回は自閉症にフォーカスを当てて書きたいと思います。
入所施設とは?
まずは入所施設の説明から。
ご家庭の事情で家庭内での支援が難しい等の理由があり、暫定的に住まいを設けいずれは地域へ戻るというイメージを僕は抱きました。
そこには様々な障害を持った人達がいました。
強度行動障害、異食行為、自閉症、ダウン症etc
障害の問わず、3人1室で共同生活をされており、軽度、重度によって棟が別れていました。
当然共同生活なので、色々な問題があり、障害の種類も様々な為いつも職員は頭を悩ましていた思い出があります。
入所すると家族には会えないの?
そんな事は無く、盆休みや正月。
定期的に帰宅している人も多かったです。
ただ当然ですが、親は子より早く老います。
帰らしてあげたくても、もう家では見きれないないから帰れない人も年々多かった事も事実ですし、親がいなくなってからは親戚から煙たがられより帰る事が困難な方が大半でした。
自閉症でも施設では生きていいけるの?
生きるという事は食事をしてお風呂に入り、寝るという最低限の生活は、施設でも保証されていました。
ただそれ以上の娯楽や外出、まして旅行等は働いていた施設では夢のような話だったと思います。
入所施設が抱える、人手不足、施設数の少なさ、労働条件の悪さ、様々な理由がそうさせているのも事実だと思います。
入所施設に入れば幸せなの?
僕は正直色々な考えがあると思います。
入所施設に入る要件を満たしている時点で、障害認定は重い区分が付いているので、コミュニケーション面の問題、自閉症以外の障害の併発、家庭での支援の限界等の問題があるんだと思います。
なので一概に親と子が地域の一家庭で生活する限界に達しているのであれば、それは本人にとっても親にとってもきっといい答えなんだと思います。
ただ先ほども書きましたが親は子より先に老います。
それを前提に検討してみる事は決して悪い事では無いと僕は思います。
その時に施設入所した後に、自分の事が自分で出来るかどうかは僕はとても重要だと感じました。
少しの努力で達成出来る事も、職員にして欲しいと望まれる方が多かった事も事実ですし、能力によって出来ない方がおられる事もまた事実でした。
本人が施設でどう生活していけるかが、本人にとっての幸せに繋がるのではないでしょうか?
それは自閉症に問わず、どんな障害を持つ人にも言える事なんだと僕は思います。
なのでもし、入所施設へ入れる事で悩んでいる方がいるのであれば、施設に入れる事もですが、施設に入ってから本人が何が出来るかを考えてあげると未来が変わると考える事の重要性に、もう一度フォーカスを当ててみて下さい。
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